ポリオレフィン等衛生協議会

いろいろなプラスチック

 ポリ衛協が自主基準を設けているプラスチックは、30種類です。ここではそれぞれの製法、用途などを説明します。
 このほか、ポリ衛協の扱っていないプラスチックのうち、主なものをご紹介します。
  ポリエチレン(PE)
ポリプロピレン(PP)
ポリメチルペンテン(PMP)
ポリブテンー1(PB−1)
ブタジエン樹脂(BDR)
エチレン・テトラシクロドデセン・コポリマー(E/TD)
ポリスチレン(PS)
AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン樹脂)
ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン樹脂)
ポリフェニレンエーテル(PPE)
ポリアクリロニトリル(PAN)
フッ素樹脂(FR)
ポリメタクリルスチレン(MS)
メタクリル樹脂(PMMA)
ナイロン(PA)
ポリエチレンテレフタレート(PET)
ポリカーボネート(PC)
ポリビニルアルコール(PVA)
ポリアセタール(POM)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)
ポリアリルサルホン(PASF)
ポリアリレート(PAR)
ヒドロキシ安息香酸ポリエステル(HBP)
ポリエーテルイミド(PEI)
ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)
ポリエチレンナフタレート(PEN)
ポリエステルカーボネート(PPC)
ポリ乳酸(PLA)
その他のプラスチック




ポリエチレン(PE)
 ポリエチレンとは、エチレンの単独重合体、あるいはエチレンと他の少量のモノマー共重合体で、ポリエチまたは英語名の略称でPEとも呼ばれています。
 ポリエチレンは、(1)比重が小さい、(2)化学的に安定で耐水性、耐薬品性がある、(3)強靭で、可とう性があり、低温でもぜい化しにくい、(4)加工性がよいなどの特長があります。
 分岐のほとんどない高密度ポリエチレンと、長鎖分岐の多い低密度ポリエチレンのほかに、1980年頃より第3のポリエチレンとも称される直鎖状低密度ポリエチレンが加わりました。
高密度ポリエチレン
 密度の高い(High Density) ポリエチレンは、略してHDPEとも呼ばれています。製造のときの圧力が30〜100気圧(中圧)、または常圧〜数十気圧(低圧)であるところから、中低圧法ポリエチレンとも呼ばれています。
 硬くて白っぽいポリエチレンでスーパーの買い物袋やおしぼりの袋がこれです。バケツやゴミ容器、ビールなど飲料のコンテナー、ロープ、水道管、灯油缶、洗剤やシャンプー容器などに使われています。
低密度ポリエチレン
 (Low Density)は、略してLDPEとも呼ばれています。製造の際、エチレンに1000〜3500 気圧の高圧を加えられるので高圧法ポリエチレンとも呼ばれています。この方法で製造されたLDPEは、長鎖分岐や短鎖分岐がたくさんできるので、密度が低くなります。
 LDPEは(1)低温でヒートシールができる、(2)透明なフィルムができる、加工性が良いなどの特徴を持っていますので、紙と張り合わせたポリエチレン加工紙として、牛乳、ジュースなどの容器フィルムとして生鮮食品などの軽包装など多岐にわたって使用されています。また、ポリエチレン成形品としてマヨネーズ、ケチャップのスクイーズボトルや容器のふた、びんのキャップなどに使用されています。
 その他、電線被膜、農業用フィルム、さらに最近では医薬用容器(点眼、アンプル)など多岐にわたっています。
直鎖状低密度ポリエチレン
 直鎖状低密度(Linear Low Density)ポリエチレンは、略してLLDPEとも呼ばれています。LLDPEは、エチレンとエチレンより炭素数の多いα―オレフィン(プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、4−メチルペンテンなど)と共重合し、短鎖分岐が導入されるため、密度の低いポリエチレンとなります。α―オレフィンの種類および量をコントロールすることにより、LDPEからHDPE間での密度範囲を網羅する中低密度ポリエチレンが得られます。
 LLDPEはLDPEに比べ(1)引張り、引裂き、衝撃強度が強い、(2)シール強度が強い、耐熱性が高い、(3)耐ストレッチクラッキング性が優れるなどの性質を持っています。用途はLDPEと重複する分野が多いのですが、食品包装フィルムや農業用フィルムでは、フィルム厚さはLDPEより薄くてもよく、米袋や肥料袋等に適していると言えるでしょう。
その他のポリエチレン系共重合体
 エチレンと酢酸ビニルの共重合体、エチレンとメタアクリル酸エステル共重合体、エチレンとメタアクリル酸の共重合体およびその一部を金属塩に代えたアイオノマーなどのエチレン系共重合体も、世の中に出回っています。これらの共重合体に共通の性質は、透明性、弾力性および接着性が優れている点です。これらの性質を生かして、フィルム、シート、成形品などに広く使用されています。
超高分子ポリエチレン
 超高分子ポリエチレンは、チーグラ触媒で製造される分子量100万以上のポリエチレンです。
 分子量が非常に大きいため、耐衝撃性、耐磨耗性に優れ、また、汎用ポリエチレンと同様に摺動性を有しています。ただし溶融時の流動性がほとんどないため、一般にプレス成形、ラム押出成形が用いられます。また、特殊な一軸押出機や、射出成形なども、開発されています。
 このような特性を活かし、主に産業機械分野、ライニング分野で多く使用されています。
 産業機械分野では、食品搬送機械のガイドレール、スクリュー、製紙機械のサクションボックスカバー、エレベーター部品等に使用されています。
 ライニング分野では、鉱石セメント、塩、砂等のホッパー、サイロ等のライニングに使用されています。
 また、耐薬品性と絶縁性に優れているため、鉛電池用バッテリーのセパレートとして広く使用されています。

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ポリプロピレン(PP)
 ポリプロ、または英語の略称PPとも呼ばれています。プロピレンというガスが原料です。1954年、イタリアのナッタ博士により発明され、日本での工業化は1962年です。ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレンと並び、4大汎用樹脂(日常的に使用されるプラスチック)の一つです。
 ポリプロピレンの特色は、ポリエチレンに比べ、耐熱温度(100℃〜140℃)が高いことです。また、他のプラスチックとのブレンド、無機系の充填剤との混合、他のプラスチックとの積層(張り合わせ)などで、剛性、耐衝撃性、気体透過性を改良した幅広分野に利用されています。
 用途としては、テレビ、ビデオ等の家庭用電気製品、バンパー等の自動車用部品、ビールのコンテナー、荷造り用バンドなどがあります。また、面白い利用例として、蝶番のない蓋と本体が一体になった箱(めがねケース、家庭用救急箱など)があります。
 代表的な食品関連用途としては、フィルム、シートでは、米菓、ラーメン、レトルト食品の包装。射出成形品では、マーガリンの容器、弁当箱、ブロー製品では、食用油、ケチャップのボトルなど。フラットヤーン織物として、米麦袋、不織布としてティーバック。新しいところではポリプロピレンフィルムにアルミニウムを蒸着させて、ゼリー等の水物包装容器になどに展開するなど、新しい分野への技術開発が進められています。

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ポリメチルペンテン(PMP)
 ポリメチルペンテンは、4-メチルペンテン-1を主原料としてチーグラ触媒を用いて重合された樹脂です。
 ポリメチルペンテンは、ポリエチレンやポリプロピレンに比べ、耐熱性、透明性、離型性、ガス透過性に優れ、射出成形、および押出成形に対応が可能です。
 ポリメチルペンテンの用途は、主に医療容器、食品容器・包材、産業材の3つです。
 医療容器関連用途としては、血液分析用セル、プレフィルド注射器、血液バック、医療用コネクタ等、主に耐薬品性、透明性が活かされています。
 食品容器・包材用途は、耐熱ラップ、青果用鮮度保持包材、電子レンジ食品等、耐熱性、透明性、ガス透過性を活かした用途に使用されています。
 産業材用途は、プリント基板用離型フィルム、PET合成紙改質材、ゴムホース製造用シースおよびマンドレル等、耐熱性、離型性を活かした用途に使用されています。

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ポリブテンー1(PB−1)
 ナフサの分解物であるブテンー1をチーグラ系触媒により、重合することによって得られるものです。
 ポリブテンー1は、分子量が100万〜300万と非常に高いことと、分子構造の特異性から、他の熱可塑性樹脂にない、抜群のクリープ特性、耐ストレスクラック性、耐衝撃性、耐巣ラリー磨耗性を持っています。また、HDPE、PPに比較すると弾性率が小さく柔軟です。
 また、フィラーを高濃度に充填することができることも、ポリブテンー1の面白い特徴の一つです。もちろん、一般のポリオレフィンと同様、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性にも優れています。
 ポリブテンー1のパイプは、優れた耐熱クリープ性・柔軟性を活かして、各種の温水・給水パイプとして使用されています。

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ブタジエン樹脂(BDR)

 ブタジエン樹脂は、分子量と結晶性を適度に調節することにより一般のプラスチック加工機械で容易に成形でき、種々の用途に使用されている樹脂です。生産量は年間約15,000トンで、そのうち食品関連需要は約500トンとなっています(1992年)。
 ブタジエン樹脂は、反応性に富むビニル基が含まれており、熱可塑性プラスチック、熱可塑性ゴム(弾性体)としての機能の他に、架橋可能なゴム材料としての性質も持つ特徽ある樹脂として知られています。
 ブタジエン樹脂の主要用途は、自動車・弱電部品、履物、スポーツ用品、玩具、食品用チューブ、ラップフィルム、青果物包装フィルム、スポンジ、まな板、印刷版、高硬度ゴム材料などです。
 身近な例としては、ブタジエン樹脂フィルムは、酸素、炭酸ガス、水蒸気などのガスを適度によく通し、鮮度保存に適した雰囲気を保ちやすいという性質を持っていることから、蕗、しいたけの包装用に、またフィルム袋では、ブロッコリー、きゅうり、たけのこなどの包装の分野に使用されています。
 ブタジエン樹脂は、熱でとけやすいので使用温度に注意が必要で、長時間屋外にさらすと変質することがあります。


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エチレン・テトラシクロドデセン・コポリマー(E/TD)

 エチレン・テトラシクロドデセン・コポリマーはエチレンと環状オレフィンの一種であるTD(テトラシクロドデセン)を共重合したポリマーです。
 一般的には環状オレフィンコポリマー、略してCOCと言います。国内では三井化学株式会社がチーグラー触媒技術を用いて1992年に工業化し、「アペル」の商品名で製造販売しております。
 アペルは、非結晶樹脂としての性質を併せ持っています。透明性、防湿性、衛生性に優れているため、食品包装用フィルムやボトルなどの容器への利用が検討されています。


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ポリスチレン(PS)
  ポリスチレンは、スチロール樹脂と呼ばれるこ ともありますが、これはドイツ語からくる呼び方で す。英語のPolystyreneを略してPSとも呼ばれま す。スチレンモノマーを重合して製造します。    1930年にドイツで初めて工業化されました。
  GPPS(ゼネラルパーパス ポリスチレン)と呼  ばれる、軽くて硬い、透明なポリスチレンは、成  型加工が容易で、寸法安定性が良い製品が得  られます。また、顔料との親和性が良いので、き れいに着色することができます。
  このポリスチレンは、包装フィルム、トレー、コップ、調味料入れなどの家庭用品に使用されています。
 ポリスチレンを数倍から数十倍発泡させたものか゛、軽くて断熱性,緩衝性に富んだ発泡ポリスチレンです。
 魚、肉、野菜のトレー、カップ麺の容器、弁当などの折箱、野菜、果物、魚を運ぶコンテナーなどに使用されています。食品用以外の分野でも電気機器の緩衝梱包材、建築用の断熱材、畳床として欠かせないものになっています。
 モノマーにゴムを混ぜて重合すると、耐衝撃性が優れた半透明のHIPS(ハイインパクト ポリスチレン)になります。主にVTRのカセット、TVやOA機器のハウジングに使用されています。食品分野では、乳酸菌飲料容器のほとんどがこのHIPSでほかに、トレー、使い捨てコップなどに使用されています。
 このように種々の用途に使用されるポリスチレンも耐熱性や耐油性には優れているとはいえません。電子レンジに使用する容器には適していませんし、溶剤や食用油を入れるとことは避けてください。

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AS樹脂(アクリロニトリル・スチレン樹脂)

 AS樹脂は、スチレンとアクリロニトリルとの共重合体でスチレン系の熱可塑性樹脂です。 すなわち、AS樹脂は、スチレンとアクリロニトリルという2種類のモノマーが一定の比率で混ぜ合わされて結合し、高分子になったもので、ポリスチレンに似て硬く、やや黄味を帯びた透明な樹脂です。ポリスチレンより優れた耐化学薬品性、耐熱性を有し表面が傷付きにくいという特徴があり、各種の形状に射出成形することができますので、食品関連分野にも幅広く使用されています。 冷蔵庫低温ケース、肉皿、ウォータークーラー部品、ジューサー、コーヒーメーカー部品等の家庭電器製品や日用雑貨類に使用されています。


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ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン樹脂)

 ABS樹脂は、ポリアクリロニトリルが持つ剛性,耐薬品性,耐熱性,ポリスチレンが持つ成形性,表面外観,ポリブタジエンが持つ耐衝撃性,耐寒性がバランスよくミックスした樹脂特性をもっています。ABS樹脂は、組成、構造などポリマーを設計する上で,きわめて広範囲に変性させることが可能であり,自動車部品、各種電気製品、日用品、雑貨などに広範囲に使用されています。
 
食品関連用途としては、ジューサーミキサー、コーヒーミル、コーヒーメーカー等の部品、電気冷蔵庫、電子レンジの部品などの他、ポット、ジャー、浄水器、米びつ計量機、漆器などがあります。


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ポリフェニレンエーテル(PPE)

 ポリフェニレンエーテルは、フェノールとメタノールを原料として作られる非結晶性の熱可塑性樹脂です。電気特性(絶縁性)と耐熱性等に優れているのが特長です。
 ポンプインペラー、水道用バルブ、家庭電気製品や自動販売機の部品などに使用されています。日常、われわれの目に触れにくい機械や器具の機能部品として、重宝されているものです。


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ポリアクリロニトリル(PAN)
 ポリアクリロニトリルはアクリロニトリルを50%以上含む基ポリマーを主成分とするプラスチックです。
 アクリロニトリルは繊維や合成ゴム等の原料に用いられていますが、ポリアクリロニトリルは、その耐薬品性やガスバリヤー性を活かし、さらに共重合体により成形加工性を備えたハイアクリロニトリルの熱可塑性樹脂として開発されました。
 前述のようにポリアクリロニトリルは、耐薬品性、ガスバリヤー性といった特長がありますが、その他にも保香性、薬品性分の低吸着性、剛性等の特長を備えています。
 ポリアクリロニトリルの主な用途は、食品包装、医薬品、化粧品包装、化学薬品包装、電子部品搬送容器です。
 食品関連用途としては,味噌カップ、魚卵容器、菓子容器、精米容器、茶、コーヒー容器等に、ガスバリヤー性、保香性、透明性、剛性を活かして使用されています。
 医薬、化粧関連用途は、ハップ材や風邪薬等のパウチ包装、化粧品容器等に、薬品成分の低吸着性、ヒートシール性、保香性、耐薬品性を活かして使用されています。
 電子部品関連用途は、大型部品のキャリアボックス、部材保管ケース、電子チップのキャリアテープ等に透明性、耐薬品性、剛性、耐磨耗性、深絞り成形性を生かして使用されています。

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フッ素樹脂(FR)

 分子構造の中にふっ素原子を含む高分子をふっ素樹脂と呼んでいます。ポリオレフィン等衛生協議会自主基準の対象となるふっ素樹脂には7種類があります。(PTFE, PFA FEP, ETFE, PCTFE, ECTFE, PVDF)その中ではPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が最も良く知られており、日常よく目にするところではフライパンや炊飯器等で食品が接触する表面に焦げ付き防止、汚れ防止として使われています。
 上記7種類のふっ素樹脂の中でPTFE, PFA, FEPに共通する特徴は耐熱性、耐寒性、耐薬品性、難燃性、耐候性、非粘着性、撥水・撥油性、潤滑性、電気特性などに優れ、半導体製造装置、自動車用途(シール部品、索導管、電線等)、情報機器(携帯電話、プレナムケーブル等)、化学プラント(パッキン・ガスケット、ライニング等)、機械用途(ピストンリング、軸受け等)、家庭機器(厨房器等)などに幅広く使われています。
 
一方、ETFE, PCTFE, ECTFE, PVDFに共通する特徴は耐熱性、耐薬品性、耐候性、難燃性、電気特性(絶縁性含む)に優れ、自動車用途(燃料ホース)、化学プラント(ライニング、LNGバルブシール等)、電線用途(耐熱電線、通信電線、ロボット電線等)、フイルム用途(農ビ用、医薬防湿用等)などに使われています。
 
ふっ素樹脂を一定温度以上で使用しますと、有毒な熱分解生成物が発生します。 使用にあたってはメーカーの推奨温度を超えないよう十分注意して使用して下さい。


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ポリメタクリルスチレン(MS)

 ポリメタクリルスチレンは、メタクリル酸メチルとスチレンの共重合樹脂です。ポリ衛協の自主基準ではメタクリル酸エステルとスチレン誘導体をそれぞれ20%以上含み、且つ両者の合計が60%以上としています。
 ポリメタクリルスチレンは、ポリスチレンに比較して透明性、耐侯性、硬度が高く、メタクリル樹脂に比べ吸湿性が低く、成形性、耐アルコール性に優れています。
 従って、ポリメタクリルスチレンは、酸性食品、油性食品及びアルコール性食品のほとんどに使用できるプラスチックです。
 具体的には、調理加工済みの油性食品、酸性食品、アルコール性食品に使用され、器具としては塩入れ、コップ、お酒の容器等があります。


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メタクリル樹脂(PMMA)
 メタクリル樹脂(PMMA)と呼ばれています。無色透明な液体であるメチルメタクリレートが主原料です。1933年Rohm&Hass Co.により工業的に製造され、日本では1938年より本格生産となりました。
 メタクリル樹脂の特性としては、熱変形温度(ASTM D648)が70℃〜103℃の範囲にあり、透明性、耐候性に優れ、機械的強度が良好で、且つ表面硬度が高いことです。
 また、表面光沢優れ着色も自由にできる特徴を有しています。
 これらのことから、無機ガラスに対して有機ガラスと呼ばれることもあります。
 メタクリル樹脂は、アセトン、ベンゼン、エステルなどに侵されますが、無機の酸、アルカリに強く、他の有機物に対して抵抗性があり、耐薬品性に注意すれば各種容器に利用することができます。
 大きな用途として、車のテールランプカバーや弱電機器カバー、看板、自動販売機前面カバーおよびカーポート屋根材があります。さらには、光学特性をいかした光学式ビデオディスク盤の材料、レンズ材利用、プラスチック光ファイバー等の用途へも広がっています。
 食品用ととしては、サラダボール、シュガーポット等の器具が主体となっていますが、食品売り場間仕切り用ならびに電子レンジ用窓などにも使用されています。

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ナイロン(PA)

 一般に、酸とアミンが反応してできるアミド結合をもつ高分子化合物の総称をポリアミド(またはナイロン)と呼んでいます。ナイロンは、ポリアセタール、ポリカーボネートなどとともにエンジニアリングプラスチック(高性能)に分類されます。
 1931年に米国デュポン社のW.H.Carothersらによって発見されたのが始まりで、日本では1951年、東洋レーヨン(株)(現東レ(株))によって初めて工業化されました。
 現在市販されているナイロンは、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロン46(数字はモノマー中の炭素数を表わします)などに大別されますが、最近は耐熱性の高い芳香族ナイロンや非晶質ナイロンも実用化されています。それらがさらに変性されたり、ガラス繊維やミネラル粒子、他のポリマーとの複合化で強化されたものが数多くあります。
 前述のとおり、ナイロンは主鎖中にアミド結合という強い極性基を有し、このアミド結合間の水素結合による分子間力が大きいこと、末端にアミノおよびカルボキシル基という反応性の高い官能基を有することから、種々の環境下でも機械的強度の安定性が高く、また各種添加剤、補強材、異種ポリマーの配合がしやすいという利点を有しています。また、ナイロンは吸水により、引張り強さや曲げ強さは低下しますが、柔軟性が増し、衝撃強さが向上するという特性を持っています。
 押出成形、射出成形、ブロー成形されたナイロン成形品は、機能部材として各種工業用途に使用されていますが、食品に直接接触する「器具」として使用されることはあまりありません。容器包装用には、ポリオレフィンとラミネートしたナイロン、共重合ナイロン(複数の種類のナイロンを化学的に結合したもの)が多用されています。酸素を通しにくいこと、袋に穴があきにくいこと、落袋強さが高いことから、最も信頼性の高い包装用フィルムとされており、重量物、水物、真空包装品、インスタントラーメンの液体スープ用等広い範囲に使用されています。
 更に比較的耐熱性が良いことから、ハンバーグ等のボイル殺菌食品やレトルト食品の包装材料として、また、低温における機械的強度が高いことから、冷凍・冷蔵食品の包装材料としても用いられています。
 食品用途以外では、自動車用のガソリンタンク・ラジエータタンク、吸気部品等に使用されているほか、電気・電子部品であるコネクタ、電気開閉器、ブレーカ、電線被膜や、その他、建設資材や椅子の脚、歯ブラシ、スポーツ用品などあらゆる分野で用いられています。
 芳香族ナイロン(主鎖中にベンゼン環が含まれるもの)は、通常のナイロンに比較してさらに優れた耐熱性や耐薬品性を有し、また低吸湿性であることから、自動車用冷却水系部品、表面実装用部品等、新しい用途が広がりつつあります。
    


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ポリエチレンテレフタレート(PET)
 一般にエステル結合でつながった高分子化合物をポリエステルと総称しています。ポリエステルには飽和ポリエステルと不飽和ポリエステルとがありますが、ポリエチレンテレフタレートは、酸成分をテレフタル酸とし、グリコール成分をエチレングリコールとした飽和の熱可塑性ポリエステルです。ポリエチレンテレフタレートは、使用量が非常に多いため、単にポリエステルといえばポリエチレンテレフタレートを指す場合が多いようです。
 ポリエチレンテレフタレートは、融点約250℃、ガラス転移温度約70℃の透明性、強執牲、−潮佐、耐熱性などに優れた結晶性高分子です。独特の結晶性を有しており、加熱/冷却や延伸などの加工条件で結晶化を制御し、結晶状態や配向状態を変化させると、全く異なる機械的、熱的性質のプラスチック製品となります。
 また ポリエチレンテレフタレートは、耐薬品性、ガス遮断性、保香性といった食品の容器包装に欠かせない性質を持っており、フィルム、ボトル、シートとして広く使用されています。
 二軸延伸ブローボトルは、透明性、ガス遮断性、耐薬品性に優れ、丈夫で耐圧性があることなどの特長から食品包装に適した材料であり、最初に、醤油、ソース、食用油、清酒ビールなどの食品包装や台所用液体洗剤、シャンプー、化粧品などの非食品包装に採用されました。その後、清涼飲料水容器として、熱固定した耐熱ボトルが開発され、熱充填が可能となったことにより、その用途も炭酸飲料、ジュース、ウーロン茶、コーヒー、スポーツ飲料などのボトルを中心として急速に普及してきました。  
 ポリエチレンテレフタレートは、成形加工条件によって耐熱性が大幅に違うので、湯煎や電子レンジ加熱などで使用する時には特に注意が必要です。
 結晶化により、不透明化した耐熱容器は、電子レンジやオーブンに使用されますが、食品の種類によって、長時間加熱したときに高温に達するものもあり、使用上の注意書きに従うことが必要です。

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ポリカーボネート(PC)
 ポリカーボネートはビスフェノールAと塩化カルボニルまたはジフェニルカーボネートを反応させて得られるポリエステルの一種で、透明で軽く強靭な性質で、耐熱温度も130℃と高く、耐衝撃性や電気絶縁性に優れた特性を持っています。
 ポリカーボネートは,1959年にドイツのバイエル社が最初に生産を開始しました。1960年には、アメリカでGE社、日本では帝人化成(久野島化学)、出光石油化学が、1961年には三菱ガス化学(旧江戸川化学)と次々に工業化されていきました。
 ポリカーボネートは現在、CDや光ファイバーのような光学関連、各種の家電製品、カメラ、携帯電話、OA機器、電子機器、医療機器、自動車などの部品、ゴーグルなどのスポーツ用品、ヘルメットや安全眼鏡のような保安部品、ドームの屋根材やガラスに代わる窓材のような建築材料、食品関連用途などに使われています。
 食品関連用途としてはプラスチックの哺乳瓶の大半はポリカーボネートが使われており、約30年の使用実績があります。また、水ようかんやカレールーの容器、弁当箱、ビ−ルのジョッキーや食器等にも使用されています。
 ポリカーボネートは、有機溶剤に弱いのでシンナーやドライクリーニング液とうに触れると、ひび割れや表面が溶かされたりすることがあります。また、強アルカリ性の水溶液に接触すると、ポリカーボネートが加水分解することがあるので注意が必要です。

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ポリビニルアルコール(PVA)

 ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合してポリ酢酸ビニルとし、これを加水分解することによって得られるプラスチックです。
 ポリビニルアルコールの工業化や周辺技術の開発は、主に日本でなされ、日本の技術が世界で一番進んでおり、生産能力、生産量共日本が世界一という数少ないポリマーの一つです。
 繊維製品の透明包装用フィルムは、ポリビニルアルコールの代表的な用途の一つで、近年、特殊な用途として農業用の保温材、直掛けネットとしても使用されています。
 容器包装としては、ポリビニルアルコールの高ガス遮断性を生かし、ポリオレフィン等と共押出しされて、多層ブローボトルや、深絞りカップの中間層に用いられ、マヨネーズ、ケチャップ、味噌、サラダ油、天ぷら油、チーズケーキ、ゼリー、ジャムなどに使用されています。
 さらに、ポリビニルアルコールの高ガス遮断性を利用して、ガス置換包装や真空包装や脱酸素剤入り包装に用いられ、対象物としては、カツオパック、煮干し、昆布、蒲鉾、スライスハム、ソーセージ、味噌、液体スープ、しょうゆ、漬物、お茶、コーヒー カステラ、まんじゅう、ピーナッツ、しょうのう、バラジクロルベンゼン、ケミカルカイロなどに使用されています。


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ポリアセタール(POM)

 ポリアセタール (別名;ポリオキシメチレン)は、オキシメチレン(−OCH2−)が連なってポリマーとなった結晶性の高い熱可塑性樹脂で、エンジニアリングプラスチックの一つです。ポリアセタールには、ホモポリマーとコポリマーがあります。
 一般にホモポリマーはホルムアルデヒド(HCHO)のアニオン重合により製造され、コポリマーはトリオキサン (OCH2 OCH2 OCH2)とコモノマーのカチオン重合によって製造されます。
 ポリアセタールホモポリマーは1960年、コポリマーは1962年に工業化されました。
 当初より、「金属に挑戦する樹脂」をキャッチフレーズに用途展開が進められ、優れた物性と良好な成形性、更には潤滑性、耐磨耗性、耐疲労性、耐クリープ性、耐薬品性等にかぐれる点を生かし、自動車分野、OA分野、機械部品分野などに幅広く使用されています。
 食品分野の使用例としては、アイスクリーム・フリーザーの羽根、食器洗い機の部品、洗びん器フレーム、飲料水のコック、ジャー、魔法瓶の部品、自動販売機部品などがあります。

ご使用上の注意
・ 高温での食品や水と直接接触での使用は避けて下さい。
・ 熱温水中での長期使用は避けて下さい。
・ 賛成溶液やアルカリ溶液と長期接触する使用は避けて下さい。


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ポリブチレンテレフタレート(PBT)

 ポリブチレンテレフタレート(略称PBT、ポリエステルエラストマー)はテレフタル酸ジメチルと1.4ブチレングリコールを出発原料として製造されるポリエステル樹脂です。
 PBTは結晶性高分子で結晶化速度が速く、成形性が良好です。電気的性質も広い温度範囲にわたって良好で、吸水性が小さく、耐候性、耐薬品性も良いという特性を持った、性能、成型性ともにバランスのとれた高性能樹脂です。
 電気、電子機器部品、自動車部品、精密機械部品、その他、主として機能性を活かした部品として使用されています。食品用途では、餅つき機部品、両推計部品、濾過器部品、食品用コンテナー、歯ブラシの毛先、漬物の袋等に使われています。PBTは熱水中では加水分解するので、長期連続使用には不向きです。


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ポリアリルサルホン(PASF)

 分子内に−SO2−結合を持つ高分子化合物が一般にポリアリルサルホンと称されています。
 ポリアリルサルホンは、琥珀色の透明な非結晶性樹脂で、耐熱性、耐熱水性、耐スチーム性、耐酸性、耐アルカリ性、寸法安定性などに優れたプラスチックです。 食品用途としては、アルコール類、酢類、油類などに対しては、充分な耐性を持っており、使用条件次第では、ほとんどの漂白剤や殺菌剤の影響を受けず、また沸騰水や加熱スチームによる滅菌が可能であるという大きな特徽があります。
 その優れた衛生性、耐久性から真ちゅう、ステンレススチール、耐熱ガラス、セラミックスなどに代わって使用されて行くものと考えられています。


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ポリアリレート(PAR)

 ポリアリレートは、二価フェノールと芳香族ジカルボン酸を原料とするポリエステル樹脂で、通常、淡黄色の弾性に富む透明プラスチックです。
 
主鎖中に芳香族環を高密度に含むことにより、耐熱性、耐衝撃性、曲げ回復特性、透明性、紫外線バリヤー性等に特徴をもち、電気、機械、自動車分野を中心に、幅広い用途で使われ、最近では、食品医療、雑貨分野への用途も広がりつつあります。 
 また、ポリアリレート単層、あるいはPET/PAR/PETの単層の耐熱シートから成形された深絞り容器が耐熱容器として用いられています。 ただ、熱水やスチーム下での長時間使用では、加水分解のおそれがあり、注意が必要です。


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ヒドロキシ安息香酸ポリエステル(HBP)
 ヒドロキシ安息香酸ポリエステルはパラヒドロキシ安息香酸を主成分とした熱可塑性の液晶性芳香族ポリエステル樹脂です。
 一般に液晶性ポリマーは(1)260℃以上、(2)220℃以上、(3)210℃以下3つの利用温度域に大別されますが、ヒドロキシ安息香酸ポリエステルは最も高い260℃以上の部類に属するポリマーです。
 特徴としては、分子鎖が剛直で耐熱性が高く、分子のからみ合いがなく、成形性にバリ(成形のときのくず)が発生しにくく、この特徴を生かして、リレー、ボビン、コネクタなどの小型電子部品などに、また、食品用途として、電子レンジ、オーブンレンジ容器として使用されています。

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ポリエーテルイミド(PEI)
 ポリエーテルイミドは4.4'〔イソプロピリデンビス(P−フェニレンオキシ)〕ジフタル酸二無水物とメタフェニレンジアミンとの縮合により得られる熱可塑性、高耐熱性のエンジニアリングプラスチックです。
 日本ジ−イ−プラスチックス(株)がウルテムという商品名で販売しています。
 ポリエーテルイミドの特徴は、琥珀色の透明な非晶質樹脂で、高耐熱性(HDT:200℃)、耐汚染性(汚れがつきにくい)、耐化学薬品性、耐加水分解性が高く、リサイクルが可能というほか、樹脂そのものが難燃性を持っています。
 このような特徴を活かして、調理用耐熱容器などに使用されています。 ポリエーテルイミドは、ほかのプラスチックともなじみがよく、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリアミドイミドなどとのアロイが可能です。このほか、食品用途以外の分野でも電気、電子部品、航空機部品などに広く展開しています。

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ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)

 ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレートは1.4へキサンジメタノールとテレフタル酸を主成分とするプラスチックで、熱可塑性ポリエステルの一種です。
 ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレートの特徴は、PETに比べガラス転移温度、結晶溶融温度が高く、耐熱性に優れた成形品が得られ、医療器具、電子機器製品、食品用としては冷凍調理食品、ベーカリー製品、機内食サービスなどに使用されています。
 生産はアメリカのイーストマン・ケミカル社のみで国内へは輸入されています。


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ポリエチレンナフタレート(PEN)
 ポリエチレンナフタレートは2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコールを原料として高温で重縮合して得られるポリエステル系の樹脂です。
 1945年に発明されて1990年から工業化されております。 PENはPETと同類のポリエステル系樹脂であり高透明性、高強度物性、等のPETと 共通の特性に加え更に高耐熱性(100℃以上)、高ガスバリヤー性、紫外線カット性等の特徴ある優れた物性を持つています。
 この特性を生かし、フィルムではAPS用や磁気テープ分野等での用途があり、食品関連用途では海外におけるミネラルウォーター用のリターナブルボトル(写真−1)、機内食用ジャム容器、国内ではゼリー容器(写真−2)、への採用等が見られます。ビールボトルヘの応用も海外では検討されており今後の展開が期待されます。

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ポリエステルカーボネート(PPC)

 ポリエステルカーボネートは芳香族ジカルボン酸の誘導体、ビスフェノールAおよびホスゲンを原料として得られ、主鎖にカーボネート結合とエステル結合をもつコポリマータイプのエンジニアリングプラスチックです。
 ポリエステルカーボネートの特徴は、ポリカーボネートと同等の透明性、機械的強度を持ちながら、耐熱性に優れていることがあげられます。また特に、耐長期エージング特性、高温クリープ性、耐加水分解性に優れています。
 その他の特徴として、寸法安定性に優れており、自動車のヘッドランプ、リフレクターなどに使用されるほか、食品用の用途にも検討されています。


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ポリ乳酸(PLA)
工事中




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その他のプラスチック

ポリ塩化ビニル(PVC)
 日本では第二次世界大戦後の1940年代後半から「ビニール風呂敷」でお馴染みになったプラスチックです。透明で本来は硬いプラスチックです。卵のパックケースなどがポリ塩化ビニルに近いといえます。
 塩化ビニルというガスをモノマー(原料)として作られます。1933年にドイツで工業化された歴史の古いプラスチックです。ポリ塩化ビニルが正しい名称ですが、一般には「塩化ビニル」、「塩ビ」と省略して呼ばれることが多く、また英語の略号「PVC」も用いられています。
 硬いポリ塩化ビニルに軟化させる成分を加えると、軟らかくしなやかなものができます。このようなポリ塩化ビニルを軟質ポリ塩化ビニルと呼んでいます。軟化させる成分を可塑剤と呼びます。添加剤の一種です。「ビニル風呂敷」も軟質ポリ塩化ビニルだったわけですが、日用品ではテーブルクロス、人形、かばん、サンダル、農業関連ではビニルハウス用のフィルム、食品関連ではスーパーで肉や魚をラップしているフィルムなど、幅広く使われています.また電線被覆や、壁紙、床タイル、ホ←スなどの住宅用品、血液バッグなどの医療用品も重要です。
 一方、可塑剤を加えていない硬いは、硬質ポリ塩化ビニルと呼ばれており、酸素が通りにくいので、ボトルとして用いると内容物が比較的長もちするという特長を生かして、ソースや醤油、シャンプー、洗剤用などに使用されています。このほか、上水道や下水道のパイプ、雨どい、窓枠など、建材としても欠かせない存在です。
 このようにさまざまな分野でポリ塩化ビニル製品が使用されているのは、硬いものから軟らかいものまで作れることに加えて、ポリ塩化ビニルがバランスの取れた物理的・化学的性質を備えているからです.
 (くわしくは塩ビ食品衛生協議会へ TEL03-5541-6901)

ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
 塩化ビニリデンと塩化ビニルとの共重合体を通常、ポリ塩化ビニリデンと言っています。
 1838年にフランスの化学者ルーニョによって塩化ビニリデンモノマーが発見されました。1939年ごろアメリカのダウ・ケミカル社によって工業化され、日本では1952年、旭ダウが、また、1953年には呉羽化学が工業化しました。
 ポリ塩化ビニリデンの特徴は気体や水分の透過性が非常に小さく、耐熱性、耐寒性に優れていることがあげられます。
 この特徴を活かして、家庭用ラップフィルム、ケーシング用フィルムとして水産加工品などの包装に、外装用としてハム、ソーセージなどのほか、コーティング材としても使用されています。
  (くわしくは塩化ビニリデン衛生協議会へ TEL03-6280-5673)


ポリ酢酸ビニル(酢酸ビニル樹脂)
 酢酸ビニルをモノマーとして作られるプラスチックです。チューインガムの主成分です。チューブに入った接着剤や木工用の接着剤にも用いられています。ポリ酢酸ビニルをカセイソーダで処理すると、合成織椎のポリビニルアルコール(ビニロン)が得られます。

熱硬化性プラスチック
フェノール樹脂(フェノール・ホルムアルデヒド樹脂)
 1909年、米国のべ−クランド博士により発明されたものです。黄褐色で松やにに似ていたので「合成樹脂」という名称を生み出しました。
 「ベークライト」という商品名で呼ばれる方が多いのですが、フェノール(石炭酸)とホルムアルデヒド(ホルマリン)を原料として作られます。ソケットや配線基板、電話器など電気器具に多く使われています。
 (熱硬化性プラスチックについては合成樹脂工業協会へ TEL03-5298-8003)
ユリア樹脂(尿素樹脂、尿素ホルマリン樹脂)
 尿素(ユリア)とホルマリンとを原料として作られる硬くて無色透明なプラスチックです。食器やボタン、電気部品などにも使われていますが、大きな用途は合板(ベニヤ板)の接着剤です。布の防叙皺工にも用いられています。耐水性やや難点があります。
 (熱硬化性プラスチックについては合成樹脂工業協会へ TEL03-5298-8003)
メラミン樹脂(メラミン・ホルマリン樹脂)
 メラミンという白い結晶とホルマリンとを原料として作られるプラスチックです。食器やテーブルトップとしてみなさんにもおなじみですが、素顔は無色透明です。
 ユリア樹脂とは異なり、耐水性の難点もなく、硬くて陶器に似た肌合いがあり、一段と高級なプラスチックです。耐熱性が大きいことは、タバコの火や熱湯を入れたヤカンで、ビクともしないことから納得していただけるでしょう。塗料や織物の樹脂加工にも用いられています。
 原料にホルマリンが用いられていますが、成形された製品からホルマリンはほとんど溶出しません。
 (熱硬化性プラスチックについては合成樹脂工業協会へ TEL03-5298-8003)
不飽和ポリエステル(不飽和ポリエステル樹脂)
 熱硬化性型のポリエステルの代表が、不飽和ポリエステルと呼ばれるプラスチックです。単にポリエステルと呼ばれることも多いようです。そのままで、塗料や化粧板として用いられていますが、もっと普及しているのは、ガラス繊維と混ぜた不飽和ポリエステルでしょう。これを特にFRP(繊維強化プラスチックの英語名の略号)と呼んでいます。金槌でたたいても割れないほどの強度があり、ヘルメット モーターボートや漁船などの船体、レーシングカーのボディなどに用いられています。家庭では、浴槽や浄化槽でお馴染みです。
 塗料に用いられているアルキド樹脂も不飽和ポリエステルの親類です。
 (熱硬化性プラスチックについては合成樹脂工業協会へ TEL03-5298-8003)

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